エシカルとエコ・モードが生んだ「民宿☆女子」のうぶ声

大震災後、宿泊消費の形態ががらっと変わってしまったと感じるのは私だけでしょうか。

第一に、一般客の「脱・東北」(東北はエシカル・モード)。

地震・津波だけだったら、夏に持ち直したかもしれません。

しかし、原発の余波 (降り注いだ放射能による食糧汚染が最悪の事態を招いている) により、東北は「域内需要」で何とか持つ地域に変わってしまいました。 夏に動くはずの首都圏ファミリー層が、「1000円高速」の廃止 (私だったら東北道だけは残しますけどね) も相まって、白河の関を越えません。 それどころか、東日本太平洋岸の海からも、2~3割程度客が引いてしまった感があります。

しかし、大震災が生んだ消費があります。 それが「エシカル・ツーリズム」。 ボランティア・ツアーで東北を訪れる方々は今夏も後を絶ちません (特に女子が増えているような気が)。 今後も、ツアーを企画・運営するNPOの肩に東北観光の復興がかかっているといっても過言ではありません。 平泉を世界遺産にしてくれたユネスコをはじめ、通常の「観光セクター」以外のセクターが東北を支えています。 この新しい流れを、じわじわと観光需要に結びつけていくことが、今後の重要政策になると思います。 さあーっと引いていった人たち(外国人団体客・ツアー客)をまた引き寄せることばかりにお熱ではいけません。(原発問題あるうちは無理じゃね?) 今夏の大人の旅は、東北ボランティアツアー!(2011年夏の東北に行ったという良い思い出を)

第二に、全国的な「エコ・モード」。

「節電」の夏、よりによって予想通り暑くなりました。 暑い都市部を出ていきたい!という願いも予想通り。 これは、4~6月もそうだったのですが、旅行需要はそんなに衰えてはいません。yoyakuこの表は、旅館の「フロント会計システム」と言われる、予約データベースを全国200軒分まとめて集計したものです。 4~6月の予約推移を表したグラフですが、 昨年に比べて「予約が落ちているというわけではない」ようです。

しかし、「ネット予約会社」経由が直前に増えているのが、今年の特徴。 じゃらんとか楽天とかからの予約でしょう。

ところが、実際の旅館はというと…昨年に比べて「売上はダウン」というケースが多いように思えます。 すなわち「単価が大幅にダウン」しているのだと思います。 ネット予約は、「週末比率が高くて、かつ単価が低い」という特徴があるので、致し方ないのでしょうね。

すなわち、エコ・モードとは、「お金のエコ」という意味!

旅行には出るけど、限りなく「コスパのよい旅をしたい」と願っている消費者が多いということです。

言い換えれば、「人のカネ」で動く、いわゆる「法人をはじめとする男性のカネ需要」が減って、「自分のカネ」で動く層が増えていると言えます。 だからもう、「人を喜ばす」ための、会席料理は要らないんだってば!

北海道では、ニセコワイス寶亭留や、あかん遊久の里鶴雅といった、発想の進んだ経営者の皆さんは、この夏「素泊まりや1泊朝食」を打ち出し、「脱・1泊2食」を始めました。 夕食は、町に出たり、バーベキューをしたり、「夕食が自由に解放された」温泉リゾート滞在をしたいという生活者の願いがようやく伝わり始めました。

ちまたでも、うまいものを提供する店はいつも大繁盛。だけど、儲け主義の居酒屋は閑古鳥。 それが旅先にも波及してきているのだと思います。 見た目はきれいだけど、特徴のない、高い会席料理よりは、ガツン系だけど、地元のホンモノの食を食べたい。 そういうニーズがどんどん増えています。

そして、「エシカルモード」と「エコモード」が生んだのが、「民宿女子」(宿坊女子も含む)。 民宿といえば、設備も家庭的で、トイレも外、まあ安いだけ、と思われていたのは昔の話。 ホームステイみたいで、いいじゃない。 それに、地のものを使った料理が食べられるし、気楽でいい。 そんな「エシカル」慣れした、「エコ」な女子たちが、民宿に目をつけ始めたような気がします。

さて、今夏あたりから、民宿から目を離せなくなると思いますよ。

All About「旅館」サイト 復活更新!

All About「旅館」サイトの記事を、ほぼ2年ぶりに更新しました。

時々、スポンサーさんからの依頼で記事は書くことがあっても、自らの記事はかなり久しぶり。
新たに期するところあり、この間あたたかく見守っていただいたAll Aboutにも応えるよう、また記事更新していきます。

先日、All Aboutの方と話をしていて、この間の気持ちの整理をしていました。
思えば2年前、世の中で「ネット広告」全盛となり、いろんなサイト間での広告取り競争が激しかったころ、All AboutでもSEO対策が強化されました。 しかし、私は、おそらくそれがきっかけで、記事が書けなくなってしまったのです。

なぜかというと、「SEO的に優れた記事」というのは、検索量の多いキーワード(よく検索されるキーワード)によくひっかかる記事。
その結果、「有名観光地の有名旅館のレポート」が優れた記事???となってしまったと思うのです。

私がこれまでAll Aboutやメディアで意識してきたのは(今でもそうですが)、「埋もれた地域や、隠れた宿」を紹介すること。 あるいは、これまでにない「潜在的な新しいコンセプト」を編集して紹介することでした。 ところが、そうした記事は、SEO的には(検索機会が少ないので)ダメな記事ということになってしまいました。

「箱根の温泉宿~露天風呂付き客室でしっぽり」なんてのが、SEO的にはいいのでしょう、きっと。 でも、これなら、じゃらんやボンパレに任せておきましょうよ(笑)

ということで、All Aboutも、原点回帰。 これまでのように「知られざる宿」や「新たなコンセプト」を紹介・提案していきたいと思います。

まずは、復活トライアルで「禁煙の宿」。 次は「居酒屋の宿」、いきます!(まずは東北シリーズ)

http://allabout.co.jp/gm/gc/380564/

福島県を救え~SAVE FUKUSHIMA!

伊丹発の飛行機が、海上から仙台空港に近づくと、モノトーンの景色に声が出なくなりました。
海岸沿いに続く、長く幅広い赤茶色の帯は、陸に向かって押し倒され枯れて腐った松林・・・
空港のツツジの植栽も全て赤茶色。
信号は消え、デコボコの東部道路から見える人の姿のない沿岸部の景色には誰もが絶句してしまいます。
この景色を写真に撮る勇気もなく、撮ったところで、静止画ではおそらく伝わらないと思います。
想像を絶する数の死者の魂とともに国を復興するという意思を持つために、機会があれば、一度は目に焼き付けておいたほうがよいかもしれません。

大地震で商店街が壊滅してしまった古川を経て、鳴子温泉郷では、電気ガス水道が止まっても、こんこんと湧き続け、被災者に恵みを与えてくれた温泉に浸かってきました。これこそ「スーパーかけ流し湯」でしょう。東松島市や南三陸町の被災者や復興ボランティアの方々がベースキャンプにしていました。「GWは東北域内のお客様が入ってくれた」そうですが、それ以後はまた震災後の様子に逆戻り。

様子は山形県も同じで、「GWは直前予約で来た東北の若いカップルや家族で賑わった」蔵王温泉、肘折温泉、湯田川温泉も、今ではまた静かな温泉地に戻ってしまっています。 「どういう状況かわからない限り、簡単に出かけていくわけにはいかない」というのが、多くの方々の共通意見でしょう。 答えとしては、「津波の被害を受けた一部の沿岸部以外は、生活も経済も、ほぼ何ともありません!」です。 できれば、首都圏の皆さん!!! 東京で東北の食材や酒を呑むだけではなく、飲み仲間で、東北に「産地直行」し、5月、6月の東北の温泉地を賑わせていただければと思います。 ちょうど山菜や筍のシーズンです!
米沢では、大震災後、市内8つの温泉が初めて手を組み、共同して「八湯会」を発足。 様々な企画を発信しています。 どうぞ、美味しい山のサカナで地酒を一献、楽しむなんていかがでしょう!?

米沢八湯会のように、地域や業態で「提携(協働)」することが、震災で得た知見だと思います。
いざという時に来ていただける「おなじみさん」が、一軒だけでは足りません。 東北の旅館の方々は、今こそ呉越同舟でも「提携」して、共同顧客化を進めていくことを考えて欲しいと思います。

しかし、福島に入ったとたん、経済の様子が一変。
美しい春の景色は、今まで通りの福島の景色ですが、観光経済は絶望の淵に立たされていました。

岳の松渓園、土湯の観山荘、と老舗旅館が廃業したと報じられました。 これはまだ「氷山の一角」です。 「廃業準備を考えながら、当面の復興要員を受け入れ、地域貢献の日々を過している」旅館がほとんどではないでしょうか。 このままでは、間違いなく、月を追うごとに、旅館をはじめ中小企業の廃業が後を絶たないと思います。 復興要員の引き上げが予想される、今夏がヤマでしょう。

観光庁やJR、旅行会社等は、秋や来年度に向けて、キャンペーンや商品企画の準備をしているようですが、福島に限っては、それではとっても「遅すぎっ」です。 逆に言えば、来年以後のこと(団体観光客や外国人の誘致など)は、こうした皆様に任せておくのがよいでしょうが、目先のことは他の方々で福島の観光産業を救わねばならないと思います。
その主体は、金融機関だと思います。 東北の金融機関自体も相当のダメージを受け、公的資金の注入を含め、相当の対応を受けなくてはならないと思います。

金融機関が支援する形で、半国策の「福島旅館共同経営会社」を設立するのが一番良いと思います。 現在の経営者は、震災後のダメージが相当大きなうえ、後継者がまともに帰ってきてくれないと思います。 そんななかで、これほどのダメージのなか、地域の温泉宿を救うには、全県の旅館の株式を買取り、傘下に置く共同会社式しかありません。 規模(営業ターゲット)ごとにいくつかのチェーンがあってもよいでしょう。 将来、また福島で夢を見られるようになったら、株式を後継者が買い戻せば良いと思います。 その夢を作るのが、共同会社の使命でしょう。 他県の旅館経営者、旅行会社、いろんな方が、高い意思のレベルで集合し、これまでにない方法で福島の中小企業を救っていくことが、今求められていると思います。 遅くとも、この夏までにスキームを作りあげる必要があると思います。
おそらく、関係者の皆様は水面下ですでに動かれているように思いますし、そう期待しています。

大震災・津波・原発・風評の四重苦という、未曾有の不幸を背負う福島県に、本当の笑顔が戻りますように!
日本全国の知恵の結集を期待しています。
kirakuya

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