2011.12.31
セレンディピティをつかめ!
「計画された偶然」という言葉をご存じですか。
これは、スタンフォード大学の心理学の権威、クランボルツ博士の理論。
「目標を定めてキャリアを積み重ねても、予期せぬ出来事によって方向変換しなければならなくなるときがある。そんなときでも、その偶然を前向きにとらえ、積極的な行動で前に進めば、偶然を必然としてとらえることができる」というものです。当たり前といえばそれまでですが、この理論によると、いかに「予期せぬ出来事に出会えるか」が幸運のカギとなると考えられます。
偶然をチャンスに変える力を「セレンディピティ(Serendipity)」と言います。残念ながら、この言葉の日本語訳がないことからも、日本人には馴染みのない考え方なのかもしれません。
ところが、成功している人、活性化している地域を見ていると、「セレンディピティ」が発端になっているケースがほとんどなのがわかります。
成功者のキャリアパスや地域を変えるリーダーの足跡をたどってみてください。その人の意思に左右されないところで、偶然の機会が人生の転機となって、良い方向に転がり始めているはずです。偶然は計画されたものではなく、必ずしもハッピーなものとも限らないかもしれません。しかし、その機会を前向きにとらえようという楽観的かつ前向きな意思は、予め計画されていたものと言えるでしょう。
そのため、成功者のマネをしようと思っても「偶然」までマネができないため、絶対に同じことができないのです。いくら成功した地域を視察しても、同じことができないのはそのためです。
では、どうすればよいのかと言えば、「偶然の起こらない今の階段を降り、別の階段を登り始めること」です。
言い換えましょう。ぬるま湯から脱却することです。
それに気づかない優秀な人材がいかに多いことか・・・。
近年成功している地域のリーダーは、「Iターン」か「複業(二足のわらじ)」が多いような気がします。
これこそ、セレンディピティのなせる業です。