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2010.12.30

ネット化が招く週末偏重、単価の下落!?

知らないということは幸せなことなのかもしれません。

旅館の全国データを用い、販路ごとに、週末・平日それぞれの販売比率を出してみました。平日販売比率が高いのは、募集型と呼ばれる広告主体の旅行会社。一方、週末販売比率が高いのは軒並みインターネット予約サイトでした。ここまでは誰もが想定できるでしょう。

次に、そのグラフに「平均単価」を加えてみました。すると、週末比率が高まるに従い上昇してはいくのですが、自社サイトをピークに下降していくのです。つまり、ネット予約サイトは週末比率が高いのに、単価が低いという結果に。さらに、一室当り宿泊人数、一件当り宿泊人数も、単価とほぼ同じカーブを描きました。

このことは何を表しているかというと、このままでは「ネット化すればするほど、経営悪化を招くおそれがある」ということ。誰も「需給バランス」を真剣に考えてこなかった結果です。政府の休日分散化も暗礁に乗り上げてしまいましたし。

それでもインターネットに期待をかけるのは「週末を安く売る以外の対策を誰も思いつかない」からでしょう。

それは「消費者ニーズだから」という理由もあるでしょう。ただ、どの旅館も変わり映えなく、単価でしか比べられない(コモディティ化している)から、そうなってしまうよねえ、というのが消費者の声なき声のような気がします。

抜本的な平日販売策を誰も考えていない。ただ、ネット上に渦巻く消費者の欲望に従い、週末を安く売るだけ。こんな市場なら、産業が衰退していってもおかしくありません。

コモディティ化の結末が「グルーポン」。90%オフ!という衝撃的な価格で投げ売りして消費者に誤解を与えるばかり。

その前に、「旅館の価値」を編集して、世に発信できないものでしょうか。例えば、少数のお客様だけご招待する「レアな地域食材を食べる会」などなど。やることはまだキリがなくあるように思えます。

私の新年のテーマは「観光イノベーション」の実践。井門観光研究所(イカケン)を作り、商品を提案していきたいと思います。

新年もよろしくお願いいたします。


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