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2010.08.24

旅館業・旅行業の人材流動化を図れ

今、様々な観光産業の事業構造が大きく変わろうとしています。

その中で、これからの業界発展のための共通キーワードは「人材の流動化」。サービス産業は人材が宝であるにも関わらず、現在、所属する企業で「くさって」しまっている人材が結構多いのではないでしょうか。それは、業界の事業構造の変化が進むにつれ、増えていると思います。

例えば、旅館業では、人を使わず客室回転を高めて稼ぐ、欧米のホテル式の事業モデルが浸透しています。そのため、建物自体が人を使う構造になっている旅館は、これまでの生産性では太刀打ちできなくなっています。

ただし、このまま、人を不要とする旅館が増えていくなら、地域の雇用プールとして地域と共存してきた旅館業はその存在価値を失うでしょう。

今必要なのは、旅館で働く社員の職業能力を評価する基準を作り、プロとして評価してあげることです。中小企業では属人給が多く、せっかく能力がありながら、その職場で合わないがためにくさっているという社員がいかに多いことか。そうした人材の流動化を図る仕組みを作り、広く業界内で社員の適材適所を目指せば、「人を使う旅館業」が復活を遂げることでしょう。

旅館業の「職能評価基準」は、現在厚生労働省が作成しており、3月には完成します。うまく、旅館業界での人材流動化が図れるようになれば、育てる旅館、働く旅館と役割も分化し、業界内で人件費調整も可能になるのではないでしょうか。

あるいは、旅行業の分野でも「着地型観光」の流れのなかで、発営業ではなく、現地発着ツアーを作ることも行われ始めています。しかし、そうした着地型ツアーは、現地の方が二足のワラジで作るならともかく、発営業をやっていた方々が関わるには生産性が低く、発営業の重たい予算とのはざまで多くの人たちがもがいています。

しかし、まだまだ発展途上の着地型観光ですが、企業ではなく個人で事業とすれば十分な稼ぎになります。現地発着ツアーをコーディネートする専門家が旅行業から独立し、ネットワーク化されれば、送り出す方も独立する方もメリットを享受することでしょう。

今、業界内での人材流動化を図る仕組みの創造が急務となっています。


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