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2010.06.06

有明海のかに三昧

竹崎かにの朝食

先週は、佐賀へ、有明海のわたりがに、「竹崎かに」を食しに行っておりました。

かには多しと言えども、わたりがにこそ内湾の蟹の王者。 その味の濃厚さは、深海産のずわいや毛がに勝るとも劣りません。 日本酒にぴったり合いますしね。 もともと東京湾や大阪湾でも捕れたのでしょう。 岸和田のだんじり祭では今でもわたりがにを食べる風習が残っています。

「上海がに」で有名な、川がにの王者、モクズがにの類もわたしゃ大好きです。 大量消費プロモーションの結果、日本では深海底びきの「ずわい」「毛がに」に加え、蟹ではない「たらば」までもが有名になりすぎ、手仕事漁の内湾の「わたり系」と川の「モクズ系」が霞んでしまっているのが残念です。 が、知る人ぞ知るかにだからこそ、あ~こんなにゆっくり温泉に入りながら、ゆっくりいただけるのでしょう。

竹崎かにはそろそろ、メスが終わり、オスの時期に入りますが、卵をいっぱいかかえた最後の大型のメスをゆでがににして、九州の酒どころ佐賀の銘酒とともにいただいてきました。 朝食も(竹崎かにではないですが)、わたりがにの釜めしに味噌汁(写真)。 かに三昧とはこのことですね。 竹崎かにを食べたいという方は、日本酒とともに安くぞんぶんにいただきたいというなら「鶴荘」、目の前に広がる有明海を露天風呂でしっぽり味わいたいなら「海上館」や「蟹御殿」はいかがでしょう。

有明のり三枚

ところで、朝食にはさりげなく、「焼き海苔」が添えられているのは誰もがお気づきのことでしょう。

多くの旅館ホテルでは、ここで、5枚入りの「味付け海苔」(原価約10円)が多いように思えます。 公正取引委員会がご丁寧にも「食品のりの小袋包装の場合は5枚以上」と決めてくれているものだから、安価な海苔5枚が基本で、できれば「どうせ美味しくないし、食べないで残してくれ」がコストダウンの基本になっています。 私もコストダウンに協力するため、味付け海苔(特にコマ切れの十二切の場合)は、どうせ美味くないし、残してあげるようにしています。

ただ、佐賀県の旅館(一部)では、有明海産(自然のままの味の)「焼き海苔」3枚入り(原価約30円)を出しているのです。 3枚なので販売はできず、朝食に添えられているだけ・・・。 たしかに、自然の味で、うまい! ささやかですが、これってなんて贅沢なのでしょう!

「地元の美味しい食材を、少量」というのが、本来、旅館ホテルが提案することだと思います。 しかし、どうしても「大量規格品を大量プロモーションで」というのが長年の基本だったがために、ここにきて、食に詳しい消費者はどんどん離れていっているのではないでしょうか。

「かに」にしても、「海苔」にしても、もう「大量販売」はやめませんかね。 食の大量販売なら「バイキング旅館」に任せておけばよい時代になったような気がするのは私だけでしょうか。

美味しいものの「旬」の情報をもっともっと発信し、美味しいものの「原価」もきちんと説明し、美味しいものの「賞味期限は短い」ことを理解してもらって、「産地直行!」を提案する。 それが、地域の旅館の使命のような気がします。 それをせずに「バイキング旅館」と価格で張りあってもかなわないと思います。


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