2010.05.16
潮目は「感動旅行」に向いた
観光の潮目が完全に変わった気がします。
これから、伸びる観光コンテンツは、「感動旅行」「一人旅」「日帰り旅行」。 単なる「温泉旅行」は廃れるでしょう。 もちろん、感動的な源泉が注がれる温泉や、一人旅を受け入れる旅館は別です。 マズローの五段階欲求説の「食欲・性欲」といった第一欲求市場は、一定規模を保ちますが、人口減少とともに漸減していくでしょう。 そのため、「露天風呂付き客室でいただく豪華料理」といったコンテンツにいつまでも縛られている旅館は、目先はよくても、お先真っ暗。 なにかひとつについて、どこまで「とんがれるか」の勝負になります。 一方で、なんらかの「自己実現」や「社会性(お互いの社会関係)強化」を目指す旅は、社会の「個」人化や情報の発展により、一層増えていくことでしょう。
先週は、奈良県の洞川温泉に行ってきました。 修験道の聖地「大峯山」を目指す行者さんが減っているなかで、温泉地で小さな店を意営む豆腐屋さんの「冷水とうふ」が、予約をしなくては買えないことになっています。 豆腐目当ての観光客?が押し寄せているのです。 天河大弁財天社がパワースポットという噂が人を呼んでいるせいもありますが、豆腐を仕込む名水(ごろごろ水)の酸化還元力と、昔ながらの製法を守る豆腐のおいしさが、現代人のライフスタイルにぴったり合っているのでしょう。
予約をしなくてもがらがらの観光地と、予約をしなくては買えない豆腐(とそのために集客できる観光地)の違いは何なのでしょうね。