2010.08.29
8月29日の「新・報道2001」(フジテレビ系列)で、阿賀町(新潟県)のまちおこしの取り組みを紹介してもらいました。
なんか、わたしが中心に映ってしまった関係で、5月から長い時間をかけて、阿賀町の観光を考える会の皆さんを取材していただいたシーンの多くが映らなくて申し訳なく思っております。 思えば、2年前、4町村が合併したのを機に、津川町でのみ浸透していた「狐」ブランドを他3町村にも広げ、新生「阿賀町」のブランドに育てようと、ワカモノたちが考え始めたのがきっかけでした。 頑張って会を作り、稲荷の絵馬付き入浴手形に共同で取り組んだり、入浴剤を作ったり、いなりずしを町内全旅館で開発したり、運転資金を貯めながら、ブランド作りに取り組んできましたよね。 この夏、はじめて、現地発着旅行の企画に取り組んだのですが、残念ながら初年度の集客はなし。 でも、着地型旅行が市場に浸透するには数年かかります。 こんなことであきらめずに、前を向いて、進んで欲しいと願っています。
その他、松之山温泉の皆さん、五龍館の中村ゆかりさん、東鳴子温泉旅館大沼の大沼さん、成功事例としてロケしていただいたにもかかわらず、当日の放送時間の「尺」の関係で、映らなかったみたいです(涙) ごめんなさい。 代表して、沢渡温泉まるほん旅館の福田さんが映ってくれました。
着地型旅行は、地域に小さな経済循環を生むコミュニティービジネス。 地域が元気になることで、日本が元気になっていって欲しいと思います!
2010.08.24
これは、ただの餃子屋さんの画像ではありません。
れっきとした「温泉旅館」の「夕食」の写真です。
群馬県・老神温泉の「東明館」を買収したのは「ぎょうざの満州」さん(本社:埼玉県)。春先から営業しています。
一泊朝食付き5,500円で、夕食は館内の中華レストランで自由に頼める仕組み。 安価に温泉旅館に行きたい方に受けているようです。
温泉旅館は、年々多様化の一途をたどっており、消費者にとっては選べる楽しみが増え、面白い時代になってきています。 しかし、定期雇用や生産者などとの「地域の経済循環」を考えたとき、安価な旅館ばかりになるのも問題。 バランスの取れた消費市場になることを願っています。
「ぎょうざ旅館」の次は、何が来るのでしょう?
2010.08.24
今、様々な観光産業の事業構造が大きく変わろうとしています。
その中で、これからの業界発展のための共通キーワードは「人材の流動化」。サービス産業は人材が宝であるにも関わらず、現在、所属する企業で「くさって」しまっている人材が結構多いのではないでしょうか。それは、業界の事業構造の変化が進むにつれ、増えていると思います。
例えば、旅館業では、人を使わず客室回転を高めて稼ぐ、欧米のホテル式の事業モデルが浸透しています。そのため、建物自体が人を使う構造になっている旅館は、これまでの生産性では太刀打ちできなくなっています。
ただし、このまま、人を不要とする旅館が増えていくなら、地域の雇用プールとして地域と共存してきた旅館業はその存在価値を失うでしょう。
今必要なのは、旅館で働く社員の職業能力を評価する基準を作り、プロとして評価してあげることです。中小企業では属人給が多く、せっかく能力がありながら、その職場で合わないがためにくさっているという社員がいかに多いことか。そうした人材の流動化を図る仕組みを作り、広く業界内で社員の適材適所を目指せば、「人を使う旅館業」が復活を遂げることでしょう。
旅館業の「職能評価基準」は、現在厚生労働省が作成しており、3月には完成します。うまく、旅館業界での人材流動化が図れるようになれば、育てる旅館、働く旅館と役割も分化し、業界内で人件費調整も可能になるのではないでしょうか。
あるいは、旅行業の分野でも「着地型観光」の流れのなかで、発営業ではなく、現地発着ツアーを作ることも行われ始めています。しかし、そうした着地型ツアーは、現地の方が二足のワラジで作るならともかく、発営業をやっていた方々が関わるには生産性が低く、発営業の重たい予算とのはざまで多くの人たちがもがいています。
しかし、まだまだ発展途上の着地型観光ですが、企業ではなく個人で事業とすれば十分な稼ぎになります。現地発着ツアーをコーディネートする専門家が旅行業から独立し、ネットワーク化されれば、送り出す方も独立する方もメリットを享受することでしょう。
今、業界内での人材流動化を図る仕組みの創造が急務となっています。