2010.02.25
3月の半ば、週刊アエラに「民主党、観光政策を変えられるか。キーワードは泊食分離(仮題)」という記事が掲載されるようです。
もともとは11月に取材を受けていたものですが、編集サイドの都合で延び延びになっていたものです。なぜ延びたかというと、事例として紹介する泊食分離の料金表が、旅館ごとに考え方が違い、わかりやすい比較表を書けなかったからだそうです。
ある旅館は、ひと部屋当たりの「室料制」。ある旅館は、1人当たりの「1泊朝食制」。ある旅館は、1人当たりの「室料制」と、ややこしいことこの上ないそうなのです。
だから泊食分離なんてやるものじゃない。そんな声も聞こえてきそうですが、外国人2千万人を実現するためには、ツアーだけでなく、個人客の旅館への誘致も必要。しかし、1泊2食だけで世界各地の旅行者が旅館に泊まると考えているとしたら、旅館業はこの先、長くはないでしょう。
せっかく国が観光立国を宣言し、数100億単位のお金をプロモーションに使い、1泊2食だからといって安いツアーばかりを受けているとしたら、片手落ち極まりありません。食事を手数料の対象とするお人好しさも世界的に珍しいと思いますが、そこまでして、「食事なし」を受けることに抵抗感を示す理由がわかりません。もちろん、料亭旅館などは別ですが、全ての旅館が料亭旅館だと思っているのでしょうか。
私たちが海外に行った時、毎日、ホテルのフランス料理で満足するでしょうか。飛行機の関係で夜遅いチェックインはないのでしょうか。旅館業、いい加減に目を覚ませ、という思いがこの記事に凝縮されています。
さらには、泊食分離のやり方もある程度業界統一したほうがよいと思います。大企業には、中期経営計画がありますが、中小企業の業界にはありません。民間でできないことは国の指導も必要ではないでしょうか。
業界団体が試行した泊食分離型の予約サイトは、予約の数倍の取材があったそうです。その記者の全てが「これしか参加していないのですか」という反応だったそうです。業界が沈むか、再浮上するか。観光立国にふさわしい制度を作れるかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
2010.02.01
この週末は、よい天気に誘われ、秋田へ。
まず、目指した先は、昨年韓国で放映され、イ・ビョンホン主演で大ヒットしたドラマ「アイリス」の舞台、田沢湖。 やあやあ、冬空の湖畔のたつ子像の前には多くの韓国人カップルの姿が。 やはりドラマの影響ってすごいんですね。 続いて、花巻空港イン大阪のトラピクスのバス団体。 2台口満席のこちらは、おばちゃんだらけ。 冬の東北も、「スポット」では賑わっているんですねえ。 「スポット」では。
とまあ、寄り道しつつ、目指したのは、乳頭温泉郷「鶴の湯温泉旅館」。 いつ行っても込んでいる割に、ほのぼのとした温泉です。 かの有名な混浴露天風呂には、若い男女ばかり。 いかにも世のオジサンたちをひきつけそうな光景ですが、女性も、内湯(中の湯)から扉を開ければすぐ白濁の露天に入れる構造と、入る瞬間は「バスタオル巻き」でよいですよ(湯に入ったら取ろう)という旅館の配慮が奏功しているのでしょう。 こうした「ディテール」の差が、鶴の湯をして大人気混浴温泉旅館に仕立てているのでしょう。 世は「女性への配慮」につきますね。 でも、露天はいつも込んでいるので、私は、一人静かにいくつもある内湯へ。(ひねくれものー)
乳頭を後にして、次に目指したのが、(東京を通り越し)伊豆の修善寺。
一度、拝見してみたかった宿があり、立ち寄らせていただきました。 その名は、「趣味の宿屋 花月園」。
こちらは、一転して、女性の宿泊客はいるのだろうか、と思わせる、個性的な宿。 称して「鉄っちゃん」の宿。 新幹線の座席が置かれたロビーにはすでに、ガラスケースにNゲージの鉄道模型がずらり。 中にはお客様のキープ品も。
そして、おそらく倉庫か部屋をつぶして作ったであろう奥のスペースには、Nゲージのジオラマ!
これが、宿屋の中と思えるでしょうか!?
さらに、二階の60畳ほどの大宴会場には、目を疑うばかりの光景(お客様がたくさんいらっしゃったので撮影は控えました)。 そこには、トラックのように宴会場を周回するHOゲージの大ジオラマ! トラックの内側には、お客様がご自身で持参した模型を思い思いに操作しています。 操作バーも運転手用のバーだったり、凝ってますねえ。 脇で見ていると、正面衝突とかしないのだろうか、素人は心配してしまいます(笑)
冬空の下、不景気に泣く日本の宿が多いなか、賑わう宿もあるものです。
さて、東京に帰ろう。