2010.01.26
日帰り温泉の「万葉の湯」が買収した箱根湯本の老舗旅館「天成園」が12月のオープン以来、好調のようです。好調の要因は、「23時間対応の日帰り利用」が好評を博していること。
日帰りと宿泊を組み合わせてお部屋を使うことができ、浴衣に着替えて温泉を楽しめ、滞在中にはもちろん食事もできる「時間買いシステム」です。
一方、京都では、次世代型カプセルホテル(トランジットホテル)「9hours」の登場がニュースになっています。
こちらも、何時から何時まで滞在しても最大14時間まで4,900円。宇宙船をイメージしたキャビンと快適性を追求したベッドやシャワールームが、はや旅人の心をとらえています。
共通するのは、旧態依然とした「15時チェックイン、10時アウト」というシステムを廃したこと。今後、ますます都市近郊型の旅館ホテルは、時間制に移行していくでしょう。この動きに着いてこられない宿は淘汰されるまで。
現代人は、高いから旅館に泊まらないのではありません。2日も旅に費やせないだけだと思うのです。
もうすぐ、ひなまつり。
ひなまつりを祝いたい潜在需要として「お嬢さんをお嫁に出したご両親」という市場があります。実家の押し入れに眠るお嬢さんのひな人形をもう一度出して飾りたい。お嬢さん夫妻やお孫さんと祝いたい。例えば、そうした需要に旅館は全く応えていません。
しかし、それぞれの日常で忙しい三世代が都合を合わせ、1泊するのはおそらく困難です。でも、日帰りなら集まれるはず。しかし、日帰りで部屋を使った食事と温泉を積極的に提供する旅館は極めて少ないのが現状です。
ご両親には、ひな人形を旅館に持ってきていただき、お嬢さんには内緒で自室の次の間に飾ってもらいましょう。それぞれのお部屋で浴衣に着替え、温泉を楽しんだ後、ご両親のお部屋で食事。全員集合したら、次の間を開けて差し上げるのです。懐かしいひな人形とともに、三世代がひな祭りの思い出とともに昔話に花を咲かせることでしょう。
旅館は、いま、一泊提供型から、時間提供産業へと変わらねばならないのです。
2010.01.21
来る2月23日(火)、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される、ホテル・旅館・レストラン業界向け展示会「HOTERES JAPAN」で、溝畑観光庁長官による初基調講演が行われる予定です。 先着250名様で申し込みが始まりました。 ご興味ある業界人の方はぜひご参加されてみてはいかがでしょうか。
なお、基調講演に引き続き、小生司会による業界要人の皆様によるシンポジウムも併催されます(基調講演だけで退席される方は罰ゲーム!)。 合わせて、ぜひお越しください。
HOTERES JAPAN 観光特別セッション
2010.01.20
JALが上場廃止になった今日、応援の意味も込めて、大阪から信州まつもと空港まで飛んできました。
ボンバルディアのプロペラ機は、小牧上空・御嶽山脇を通過し、素晴らしい!北アルプスの山並みを左手に見ながら松本盆地に着陸します。 着陸前に電子機器が使えないので、写真をお届けできないのが残念です。 飛行機というのは、素晴らしい乗り物ですよね。 プロペラのローカル線は特に大好きです。
先週の旅は、大阪~松山線もプロペラでした。 瀬戸内の島々を見ながら、愛媛県内子町のグリーンツーリズムの勉強会。 泊まったのは、お遍路さんも泊まる「いかだや」。 小学校跡地に昔の「遍路宿」を模して建てた宿で、お部屋には金剛杖を置く場所もあるのが四国らしい。 囲炉裏端でいただくアメノウオも美味でした。 すぐ近くのうどん屋(やなせうどん)さんは、「善根宿」といい、お遍路さんを無料で泊め、うどんでお接待してくれます。 四国の「お接待」というもてなしは、中世から変わらず根づいています。 日本っていい国ですよね。
内子へ行く前に、寄ったのが、丹後半島の突端「伊根町」。
この町は、重要伝統建築物群保存地区(重伝建)の「舟屋」の町並みが残る町。 ここの景観も素晴らしい!
伊根湾を木造の町家がぐるっと囲み、その1階が舟を入れるガレージになって、海に面して開いています。 ガレージ部分を部屋にした舟屋を改造した「舟宿」も4軒あり、そのうち「大平荘」に泊まってきました。
窓の外は、海…..。 今まで3人、海に落ちたそうです(笑)
釣り糸を垂らせば、そのまま釣りもできるでしょう。 さざ波がBGMの部屋。 一階と二階の2室ですが、やはり一階に泊まってみたいですね。すぐとなりは、伊根町唯一の造り酒屋。 銘酒「伊根満開」を買って、しみじみ飲むのによい宿です。 サカナはもちろん、伊根ぶり!
昨日泊まった、和歌山市「加太」の温泉も素晴らしい湯でした。 紀淡海峡の出船入船見ながら、こちらはコラーゲンたっぷりの鯛づくし。 お世話になった「ひいなの湯」の皆さん、ありがとうございました。
しかし。役得とはいえ、冬の日本の旅は、素晴らしい体験です。 冬に旅をしないなんて、もったいないですよね。