旅館はソーシャルベンチャー
「ソーシャルベンチャー(社会起業)」という言葉をご存知でしょうか。おそらくこれから30年、日本の各地域で根付いていくでしょうから、覚えておいて損はないと思います。
例えば、旅館業。おそらく、これからオフシーズンの平日は開店休業(あるいは本当の休業)が増えると思います。その分、売上や報酬は増えません。そこで、空いた平日に、第2の名刺を使って地域貢献事業に関わるのです。昨今、建設業が農業に事業転換しているのはご存知ですよね。全国民が複数の名刺を持つ時代がやってきたのです。
農業、福祉、教育、流通、金融、新事業。地域貢献は、個人単位でも法人単位でも、どんな事業でもOK。特に、地方金融機関に代わるマイクロファイナンス(個人への貸付やリース)は、キャッシュを稼げる宿泊業とは相性が良いかもしれません。借りるのではなく、お金を貸す業態に変身する、旅館業のコペルニクス的転換です。
「複業」として事業を展開するNPOやLLC(合同会社)を設立し、地域の「問題解決」を図るのが社会起業。もちろん、小さくとも確実に収益を生むことも大切です。
地域の高齢化で農林漁業や商店の方が困っていませんか。「援農」を事業化し、流通しない野菜や魚介を旅館の食材で活用できないでしょうか。
大震災が発生し都市のインフラが途絶えたとき、都市住民を救うための「共済」を立ち上げ、疎開先として旅館を活用できないでしょうか。
地域通貨や電子マネーの「胴元」事業ができないでしょうか。
不登校の子供たちを集め、自然のなか、社会生活を支援する「フリースクール」に空いた部屋を活用できないでしょうか。
21世紀は、人口も経済もシュリンクし、行政が手をかけられる範囲も狭まっていきます。いつまでも行政に頼っていたら共倒れ。自らの事業を行う傍ら、自らの地域を良くするための社会ビジネスも頭の隅においておかれることをお勧めします。そのためには、自らの特技ややる気を生かした「兼業の自由」をうたうことから始めましょう。
社会起業に興味ある皆様、一緒に新しい時代を開拓していきましょう!