2011.03.12
東京は無事です。
なにやら、全国の方々(特に旅館の友人)から「大丈夫か!?」とのお声がけを多数いただいております。
どちらかというと立場が逆ですが、私も東京もなんとか無事です。 ありがとうございます!
地震は、直下型でドーンときた阪神と違い、強く長い横揺れが数分続いたでしょうか。
鉄筋のオフィスでも、本棚の本が落ち、天井のモルタルがぱらぱらと散り落ちてきました。
昨日は、交通機関がマヒするなか、遅くに動いた地下鉄に運良く乗れたか、徒歩で帰宅した方以外は「帰宅難民」と化し、オフィスに泊まりこんだ方も多かったようです。
そういう私も、帰宅難民と化しましたが、たまたまいたオフィスで、都内の旅館に泊まりこむ「着地型旅行?」を提案し、7名で都内の老舗旅館に突然の予約で泊まらせていただきました。 旅館まで小1時間歩き、日が変わる深夜の到着。 風呂も温めておいていただき、旅館の温かみを感じた次第。 当日は、取消しの連続や、福島に急遽戻る中学校の問い合わせ、帰宅できなくなった方の連泊と、大変な騒動だったそうです。 そのなかで、運良く泊まることができました。 翌朝にはおにぎりの炊き出しまでいただき、帰宅しました。
若い方はカプセルホテルとか「シングル」を希望されるようですが、たまには同じ部屋の畳に枕を並べて寝るのもいいものです。 それこそ、被災を共有した者同士の連帯感として変わっていくと思います。

今回の災害で、東北はたいへんなことになってしまいました。 先月、南相馬にも行ったばっかりです…
新潟や長野も被災していますし、まだ余震が続くので予断を許しません。
ただ、日本は(政治はふらふらしていますが)何度も地震や災害を乗り越えてきた強い国です。
激甚災害もかなり広範囲になってしまいましたが、復興基金をもとに、残った者で新しいまちづくりをきっとしていけるはずです。
まだ、発言するには尚早ですが、「東北・宿アライアンス」という、東北の応援団となって旅をしていただけるお客様を紹介しあえるような仕組みを作れればと願っています。 ただでさえ大きな災害被害を被っているわけで、そのうえ、風評被害だけはなんとか最小限に留めて欲しいと思うからです。
どうぞこれ以上の被害になりませんよう祈りつつ、今回の不幸を、将来の糧にできるよう、がんばりたいと思います。
2011.01.27

今年は「大雪」です。
写真は、松之山温泉(新潟県)「ひなの宿千歳」さんの露天風呂…..。
雪見露天のはずが、「雪洞露天」になっています! なんとも!他で味わえない露天風呂です。
松之山温泉への道路脇も3メートルを越す雪。
この「天からの授かりもの」のお陰で、除雪車は毎日大忙し。 仕事のなかった建設業の方も少しホッとしたことでしょう。
観光事業者も、「雪」を地域資源として、もっともっと訴求していかねばならないと思います。
都会や海外の方は、こんなにもの雪を見ることはないのですから!
一方、松之山温泉の山向こう(岩室温泉)では、老舗名旅館「綿屋」が、ひっそりとその歴史に幕を閉じ、事業譲渡されました。
どうして? なぜ?旅館の個性やすばらしさがもっと知られなかったのだろう。
旅館倒産のニュースを聞く度に、そう思います。

松之山温泉では、地元のお米が食味コンクールで表彰されたり、旅館の人たちの取り組み(朝ごはんの改革)が全国表彰されたことでの大祝賀会。 棚田でできたコシヒカリのおにぎりに、地元特製の味噌を塗って。 出汁にお米を入れた「棚田鍋」に、漬物に、銘酒「松乃井」純米大吟醸…..と、米どころならではのメニューを堪能しました。
最近、フェイスブックが世を賑わしていますが、旅館もファンページを作るべきですね。 伝わらなければ、せっかくの資源や努力も、雪のように溶けてなくなってしまいます。 時代が変われど、ファンの多い温泉、ファンの多い旅館こそが、生き残る時代かと思います。
いいね!まずは、こんな感じ。
http://tinyurl.com/45b5d28
こんなの格好いい。
http://www.facebook.com/muji.jp
2010.12.19

11月の狩猟解禁で生イノシシが入ったからと、かねてから誘われていた水上の「尚文」に行ってきました。
ぼたん鍋で使うような薄切りではなく、特注で、がっつりと分厚いイノシシのロースと肩ロースを炙って山盛りに!
いやはや、うまい、うまい。 まったく臭みのない、歯ごたえのいい”極上の豚”です。 肉汁にまみれた分厚い脂身こそ、うまい肉のだいご味です。
上記写真は、通常コースに出る肉に加え、特注の肉を加えた、肉(viande)三昧の図。 手前から「赤城和牛・上州麦豚・赤城鶏」の三点盛り(通常コース)、「鹿のルイべ」(特注)、「生イノシシロース」の炙り。 イノシシはお皿がほぼ空いてしまいました。
このほかにも、仕上げに、イノシシのハム、イノシシのもも肉とレバーのペーストを、生搾りの日本酒「誉國光」三兄弟に合わせて終了。
年末の仕事を少し早く仕上げて、「温泉忘年会」というのを、イマドキの食通の皆さまに提案したいものです。 この日も東京16:52発新幹線で、宿に18:30着。 ちょっと頑張れば、今の時代では忘れてしまったこんな楽しみ方ができます。

最近、旅館は「格安で買う」ような風潮があります。 付加価値が薄れ、コモディティ化してしまった結果でしょうが、モノと違って安く買えばいいとは限りません。 尚文でも、ここまで(田舎に)の、それもこの宿に来て、川魚が食べられません、獣肉は食べられません、というお客様いると悩まれていましたが、付加価値的な情報を得ず、ただ「価格とネットクチコミ」で選んでしまったのでしょうね。
私など足元にも及ばない「宿通」の方々の声さえあれば、宿の個性が発信され、付加価値が強化されて、価格もただ暴落していく(モノと違い、サービス価格が暴落すると、サービス品質は当然劣化する)のを避けられると思うのですが...All Aboutで一人やっていたそんなサービスも作ろうと思えば作れるかもしれません。
繁閑で価格が安くなるのは「客室」。 「料理」は価値(原価)で変わります。 安いオフシーズンに、安くなった部屋に泊まり、少し奮発してうまい料理を食べに行く。 そんなことすらできない、現在の1泊2食型旅館料金や予約の在り方では、観光振興以前の話でしょうね。
世の中が変わらない限り、わたしだけの食道楽の旅を続けられるからいいか(笑) ごちそうさま!