スタイルBをお読みいただいた皆様へ。
このたび、本ブログをAll Aboutプロファイル「コラム」へと移行することにいたしました。
本ブログをご高配賜りましてありがとうございました。引き続き、井門隆夫のコラムをよろしくお願いいたします。
新コラムは、All Aboutプロファイル「コラム」ページからお読みいただけるほか(RSSもご登録可能)、井門観光研究所のホームページにも新着情報がアップされます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
井門 隆夫 拝
新年おめでとうございます。
2011年は、日本に生きる人々にとっては忘れえぬ年になりました。
今年はどんな年になるでしょう。
東京タワーが開業した1958年には、「岩戸景気」が始まりました。
太陽の塔が立った1970年には、「旅ブーム」が本格化しました。
スカイツリーが完成する2012年も、日本の観光は復興に向けて大きく動き出すことでしょう!
しかし、「塔」は西洋のタロットカード占いでは「破滅」「終焉」を意味するカード・・・
4年に一度、五輪、米国大統領選が重なる年は、必ずといって政治経済の大変化があります。
思えば4年前には、リーマン・ショックが世界を震撼させましたが、今度は、EUの番でしょうか。
円高で瞬間的に海外旅行は潤いますが、中期的には日本経済に強烈なボディブローとなります。
地球も活動期に入っているようですし、外的要因には十分留意していたいものです。
さて、ここのところブログの更新をサボっておりまして、申し訳ありませんでした。
Facebookの登場などもあり、少々遅筆となっておりました。
昨年は、井門観光研究所を設立し、着地型旅行本格化の時代に向け、各地の取材を繰り返すとともに、関西国際大学に着任し、慣れない大学での仕事に専念しておりました。
そして、今年は、各地で「着地型旅行プロジェクト」に携わっていきたいと思っております。
着地型旅行とは、「現地発着」型の、いわゆる「オプショナルツアー」のこと。
従来から、日本の旅をする際にネックとなってきたのは、高い「交通運賃」。
これまで、割引は、長きにわたり「団体」にすることで成り立ち、それが旅行業を支えていました。
いわゆる「スケールメリット」ですね。
ところが、インターネット時代になり、「個人」でも、「早割」や「平日乗車」など「条件」により割引になるようになりました。
高速道路料金も休日割引が常態化するようになり、団体・ツアーでなくても、安く旅行ができるようになりました。
宿も、格安旅館の普及や、既存旅館でも様々な効率化が行われるようになり、値下がり傾向にあります。
すなわち、個人でも「自由」かつ「安価」に旅ができるようになる素地が整ってきたのです!
交通機関を、個人でも安く買えるようになりましたからね。あとは、「ランド」(旅先)です。
海外のように、現地発着のオプショナルツアーが豊富にあればいいのに・・・
そうした背景から、観光庁では、平成19年に旅行業法を緩和し、小規模旅行業者でも、現地発着型ツアーの企画ができるようにしました。
業界で「着地型旅行」と呼ばれる現地発着型ツアーが、企画・実施されるようになる時代がやってきたのです。
しかし、なかなか地域や業界で、着地型旅行をやろうとしても、なかなか普及しません。
それは、なぜなのか?・・・
その構造はといえば・・・、なーるほど。
その事情さえつかめれば、これからはサクサクと進み始めるでしょう。
少しずつ、その理由を私も発信していきたいと思います。
さて、ここでお知らせです。
3年にわたり、ご高覧いただきました「スタイルB」(本ブログ)ですが、1月をもって更新を休止します。
その代わり、
新しい「コラム」サイトを作り、着地型旅行のトレンドや、旅館業界の裏事情を、従前にも増して定期的に発信して参ります。
新しいサイトはただ今準備中。サイトアップは1月19日の予定です。
完成は、このブログでもお知らせいたします。
2012年。引き続き、新しいコラムもどうぞよろしくお願いいたします!!!
「計画された偶然」という言葉をご存じですか。
これは、スタンフォード大学の心理学の権威、クランボルツ博士の理論。
「目標を定めてキャリアを積み重ねても、予期せぬ出来事によって方向変換しなければならなくなるときがある。そんなときでも、その偶然を前向きにとらえ、積極的な行動で前に進めば、偶然を必然としてとらえることができる」というものです。当たり前といえばそれまでですが、この理論によると、いかに「予期せぬ出来事に出会えるか」が幸運のカギとなると考えられます。
偶然をチャンスに変える力を「セレンディピティ(Serendipity)」と言います。残念ながら、この言葉の日本語訳がないことからも、日本人には馴染みのない考え方なのかもしれません。
ところが、成功している人、活性化している地域を見ていると、「セレンディピティ」が発端になっているケースがほとんどなのがわかります。
成功者のキャリアパスや地域を変えるリーダーの足跡をたどってみてください。その人の意思に左右されないところで、偶然の機会が人生の転機となって、良い方向に転がり始めているはずです。偶然は計画されたものではなく、必ずしもハッピーなものとも限らないかもしれません。しかし、その機会を前向きにとらえようという楽観的かつ前向きな意思は、予め計画されていたものと言えるでしょう。
そのため、成功者のマネをしようと思っても「偶然」までマネができないため、絶対に同じことができないのです。いくら成功した地域を視察しても、同じことができないのはそのためです。
では、どうすればよいのかと言えば、「偶然の起こらない今の階段を降り、別の階段を登り始めること」です。
言い換えましょう。ぬるま湯から脱却することです。
それに気づかない優秀な人材がいかに多いことか・・・。
近年成功している地域のリーダーは、「Iターン」か「複業(二足のわらじ)」が多いような気がします。
これこそ、セレンディピティのなせる業です。